自家採種とは?家庭菜園で種をつなぐという選択

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はじめに|「自家採種って結局どうなの?」と思った人へ

家庭菜園を続けていると、 「この野菜、来年も同じように育てられないかな?」 「毎年種を買い続ける必要があるのかな?」 と感じる瞬間が出てきます。

そのときに出てくる選択肢が自家採種です。

ただし、自家採種は

  • すべての種でできるわけではない
  • やり方を間違えると失敗しやすい
  • 向き・不向きがはっきり分かれる

という側面もあります。

この記事では、特定のメーカーや販売店に限定せず、自家採種という考え方そのものを整理し、 「自分はやるべきか?」を判断できる土台を作ります。

自家採種とは?|簡単に言うと何をすること?

自家採種とは、自分で育てた野菜から種を採り、翌年以降に使うことです。

自然界では当たり前の営みですが、現代の家庭菜園では「種を買う」ことが主流になっています。 そのため、自家採種は少し特別な行為に見えるかもしれません。

重要なのは、

  • 種を採ること自体が目的ではない
  • 「どんな性質の野菜を残すか」を選ぶ行為である

という点です。

固定種とF1種の違い|自家採種できるかどうかの分かれ目

固定種とは

固定種は、親の性質が子に比較的安定して受け継がれる種です。昔からその地域で生産され適応したものは「在来種」,「伝統野菜」などと呼ばれたりもします。正しく育てて採種すれば、翌年も似た性質の野菜が育ちやすくなります。

自家採種と相性がよく、

  • 育ち方

を少しずつ自分の環境に合わせていくことができます。

F1種(交配種)とは

F1種は、異なる親同士を掛け合わせて作られた種です。「交配種」「雑種第1代」と呼ばれることもあり、以下の特長があり、一般的に多く流通している種です。

  • 発芽が揃いやすい
  • 形や大きさが均一
  • 初心者でも育てやすい

一方で、F1種から採った種は同じ性質にならないことが多く、 自家採種には基本的に向いていません。

市販の種は自家採種できる?|誤解されやすいポイント

「市販の種=自家採種できない」と思われがちですが、実際はもう少し複雑です。

  • 固定種として販売されているもの → 可能
  • F1として販売されているもの → 基本的に不可

最近は100円ショップなどでも種が手に入りやすくなり、 「この種は自家採種できるのか?」と迷う人も増えています。

大切なのは、 販売場所ではなく、種の性質を見ることです。

自家採種のメリット|なぜやる人がいるのか

① 種を買わなくてもよくなる

一度うまく回り始めると、種代がほとんどかからなくなります。

② 自分の畑に合った野菜が残る

気候・土・育て方に適応した個体を残すことで、 育てやすさが上がる場合があります。

③ 野菜作りの理解が深まる

花が咲き、実ができ、種になるまでを見ることで、 栽培の見え方が変わります。

自家採種のデメリット|向いていない人もいる

  • 収穫の一部を種取り用に残す必要がある
  • 交雑や劣化のリスクがある
  • 毎年同じ結果になるとは限らない

「確実に同じ品質を得たい人」には、市販種の方が向いています。

自家採種が向いている人・向いていない人

向いている人

  • 家庭菜園を長く続けたい
  • 多少の失敗も楽しめる
  • 野菜作りの背景に興味がある

向いていない人

  • 毎年安定した収穫が最優先
  • 手間を増やしたくない
  • 結果を早く求めたい

初心者が失敗しやすいポイント

  • 交雑を考えずに複数品種を植える
  • 弱い個体から採種してしまう
  • 十分に完熟させずに種を採る

これらは、知っているだけで避けられる失敗です。

固定種、交配種の見分け方

一般的な見分け方

市販の種で固定種と交配種の見分け方は以下のようなものです。

固定種

「○○育成」と書かれているものは固定種です。何も書かれていないものも固定種ですが、一部例外(後述)があります。

交配種

「○○交配」「一代交配」「F1」の記載があります。

そのほかには値段の割に量が多い場合は固定種、少ないと交配種の場合が多いです(あくまで目安として)

交配などの記載がない、育成と書かれているので固定種。

※登録品種などと書かれているものは要注意!

 登録期間中に種採りをして販売等をしてはいけません!

「○○交配」「一代交配」などが書かれているので交配種。

店頭の種を見ると「交配種」が多いですが、豆類は「交配」を見たことがないので、ほとんどが固定種のように思います。

何も書かれていなくても交配種のものもある!

僕の大好きなダイソーの野菜の種。

安いので購入すればいいのですが、「種採りをしたいな!」と思うことがあります。

「交配」などと書かれていないから「固定種だ!」と思ったら実は大間違い!(笑)

「交配」の記載はないので「固定種なのだろうな」と思って品種名を確認したら「早生子持」と書かれています。

芽キャベツの「早生子持」の種を調べてみると、実は交配種でした!😮

「交配」が書かれていないからと言って固定種とは限らないことも!

「交配」の記載がなくても値段の割に入っている種が少ないな・・・と思ったら交配種の可能性がありますので品種名で調べてみるとわかることがあります。

見分け方のまとめ

「交配」「育成」などの記載があればわかりやすいですが、何も書かれていないときは品種名から調べられることがあります。

自家採種のために固定種を選ぶときは、出所が明らかで確実に固定種であるものを使うことが大切です。

自家採種をするときに気をつけないといけないこと

固定種であれば自家採種をして次のシーズンにも同じ形質の野菜を作り続けられます。

自分の畑で育てた野菜の種を繋いでいくことは、種代がかからないこともさることながら、ずっと同じ種で命が代々つながっているという、子供を育てているような気持ちを持てることが僕が自家採種をしているモチベーションです。

皆さんはどんな目的で自家採種をしようと思われているのでしょうか。

魅力的な自家採種ですが気を付けないといけないことがあります。

登録品種

自家採種をして増やしたものを販売したり人にあげたりすると、知らない間に法律を違反していることがあることです。

法律は知らなかったとしても違反をすると罰せられることがありますので十分注意をしないといけません。

自家採種・自家増殖の際には登録品種には気を付けないといけません

以下の内容は令和3年4月、令和4年4月の法改正に基づく内容です。

簡単な表現でまとめていますが細かい内容を網羅するものではありません。また、万全を期しているつもりですが、万が一にも間違えていることがあります。

法律に関することですので自己の責任でご理解・ご対応をお願いします。

品種登録制度

品種登録制度等について農林水産省のページでわかりやすいパンフレットが掲載されているので、この内容を一読されると大切な内容はわかると思います。

簡単にまとめるとこんな感じ!

①苦労して特長のある新しい品種を作って品種登録をした人(会社)の権利を守らないといけないね。

②品種登録するときはこんな感じで登録してね。

③品種登録をした人(会社)は登録品種だとわかるように表示をしてね!「登録品種」「品種登録とその番号」「PVPマーク」

④品種登録をした人(会社)の権利を守るため対応するよ。

この内容は新しい品種を作った日と(会社)の権利を守るためのものです。

家庭菜園をしている人のほとんどは品種登録をしませんので直接関係はありませんが、「品種登録した人(会社)の権利を守っていくよ」と農林水産省が言っていることは知っておかないといけません。

種苗法

改正種苗法についても農林水産省のページで掲載されています。先ほどのパンフレットほどではありませんが、法律違反をしないためにも一読されることをお勧めします。

簡単にまとめるとこんな感じ!

①せっかく作った登録品種が海外で勝手に作られて困っているので、権利を守れるようにしたよ。その他にも権利を守れるようにちょっと変えたよ。

②品種登録の侵害があったときは、侵害の立証をしやすく(訴えやすく)したよ。

家庭菜園をしている人に向けたパンフレットがありましたので載せておきますね。

登録品種でも自家消費のために増やすのはOKだけど、増やしたものを人にあげたりしたらダメ」ってことが書かれています。

登録品種のまとめ

登録品種等の場合は自家増殖した種苗を他の人にあげたりすると法律違反になるので注意が必要です。

自家採種・自家増殖をしようとするなら、登録品種等以外の品種を選びます。

これから自家採種をする品種が登録品種なのかどうかを確認するためにも、上でも書いたように種袋に書かれている内容をしっかりと確認しましょう!

種を買うときは種袋に記載の有無を確認すればよいですが、スーパーで売ってるジャガイモを種イモとして栽培するときは当たり前ですが「登録品種」の記載はありません。もしそれが登録品種だった場合にはご近所さんにおすそ分けをすると知らない間に法律違反をしてしまっていることになるので注意しましょうね!

ややこしくて心配だなという場合は市販の種のみを使い、自家採種をしないのが精神衛生てきにも良いと思います。

自家採種の際の交雑

小さな畑で自家採種をすると交雑の問題は避けては通れません。

交雑

遺伝子組成の異なる二個体間の交配のこと。

ここでいう交雑は、自家採種をしようとする品種が別の品種と意図しない交配をすることで、目的の野菜ができなくなることを言います。

前半で説明した「交配種」は良い特性を引き出すために特定の品種を意図的に交配した種です。

特にアブラナ科の交雑のしやすさは半端ではなく、しっかりと不織布で囲っていたつもりでしたが交雑をしてしまったので種採りを諦めました。

野菜の交雑のしやすさ

野菜の種類によって交雑のしやすさは異なります。

交雑しやすい野菜は種採りをしても期待していた野菜が取れないことがあります。

注意点のまとめ

自家採種をするときに、食べたい・育てたい品種を選ぶことはとっても大切ですが、法律や品種の種の取りやすさなども考慮する必要があります。

固定種を購入できるサイト・お店

以下のサイドでしたらたくさんの固定種が選べます。(一部F1(交配種)のものもあります)

定番のサイト・お店

野口種苗

固定種の種といえばここ!というくらいの定番のショップですよね。

種類も品種も豊富でここならどの種を買おうか迷ってしまうくらいです。

種の森

無農薬・無化学肥料で採種された種が販売されています。

種子カタログを見ているだけでも楽しい♪

松尾農園

品種は多くありませんが安心して選べます。

自然のタネ

品種自体は多くありませんが、珍しい品種の取り扱いがあります。

番外

固定種を探すのは大変ですが、お気に入りが見つけられたらラッキー!

■国華園

問い合わせたところ、「『F1』と書いていなければ固定種です」との回答でした。(自己責任でお願いします)

メチャ安い種がゴロゴロしています。固定種は比較的安価で大容量なものが多いですよ。たまに伝統野菜の種も売ってます。

ダイソー

僕が愛してやまないダイソーの種です。

種類は多くはありませんが、2袋110円という超激安のため、種採りをしようとする気力さえも奪ってしまうという魔力のある種です(笑)

サイト・お店のまとめ

これら定番のショップは種類や品種の選びやすさ・商品の豊富さは抜群です。

値段が少し張るものもありますが、安心して選べますね。

そのほか、検索してご自身のお好みのショップを見つけるのも楽しいかもしれません。

ダイソーの種のページもあるのでよかったら見てくださいね!

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まとめ|自家採種は「技術」より「考え方」

自家採種は、

  • 必ずやるべきものではない
  • でも、知っておくと選択肢が広がる

家庭菜園を続ける中で、 「自分はどう付き合いたいか」を考えるための一つの軸です。

まずは知ることから始めて、 必要だと思ったら少しずつ試してみてください。

参考資料

自家採種をするにあたり、以下の書籍を読んだり、検索をしたりしながら記事を書いています。

調べるほどに面白く奥が深いので自家採種はやればやるほど沼にハマってしまいそうです。

まずは交雑しにくく簡単に採りやすい実物や豆類の種をつなげていこうと思っています。

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